今日はニューカッスル側で。
ニューカッスルは、GKがギブン(Given)。DFは右からソラーノ(Solano)、テイラー(Taylor)、オニェウ(Onyewu)、カー(Carr)。中盤は右からミルナー(Milner)、バット(Butt)、エムレ(Emre)、ダフ(Duff)。前線はダイアー(Dyer)とマルティンス(Martins)。
アーセナルは、GKがレーマン(Lehmann)。左からエブエ(Eboue)、トゥレ(Toure)、ギャラス(Gallas)、クリシ(Clichy)。中盤は右からフレブ(Hleb)、シウバ(Silva)、セスク(Cesc Fabregas)、リュングベリ(Ljungberg)、ディアビ(Diabi)。
前はアデバイヨール(Adebayor)。
5分、フレブのミドルはギブンのほぼ正面。プレッシャーの少ない/甘いマグパイズ(Magpies)はガナーズ(Gunners)にとっては組し易い相手なのでは。
6分、ニューカッスル側から見て右サイドの奥、ソラーノのスローインをミルナーがソラーノに返し、ソラーノがダイレクトでクロス。中に待っていたマルティンスの頭を掠めて落ちたところにマグパイズの選手が走りこんだがわずかに合わず。誰だったんだろう。エムレじゃないしな。
9分、ギブンのロングキックをマルティンスがヘッドで中央前方へ、それに走りこむダイアー。エブエにヘッドで競り勝ちはしたが、ゴールラインの外に出てしまう。
10分経過。どちらもそんなにアグレッシブに行く感じではない。チームカラーもそうだが、一昨日に試合があったばかりというのもあるだろう。ニューカッスルもボールをつないで攻める場面もあり、大味な感じはしない。
12分、クリシのクロスをオニェウがバックヘッドで防ぐ。マグパイズのDFはあれをOGするのが通過儀礼というところだが(笑) と思ったら
15分、緊張感のない緩いバックパスをアデバイヨールに狙われる。ギブンがクリアして事なきを得たが。どしても通過儀礼をやらないと気が済まないのか。入団したDFが片っ端からこういうプレイをするというのは、やはりチームや監督の体質というところなのだろう。だってこれモウリーニョ(Mourinho)が監督だったら許されないよ。
16分、30mほどの位置からエムレの低く強いFKが相手ペナルティエリア内で味方(ソラーノ?)の足に当たってころがったところをオニェウ?がシュート、レーマンが身体を伸ばして弾く。惜しい。
20分、アーセナル陣内でのプレイ時間がけっこう長い。ロングキックどんではないが、アーセナルの裏に入れるボールも目立つ。
21分、セスクから前方のディアビ?にスルー。それを受けたディアビは、ゴールを背にしてボールをキープしはじめてしまう。付いているカーのプレッシャーということもあるかもしれないが、これがアンリだったらまず間違いなく後ろなんか向かないでゴールに迫ろうとするだろう。点が取れていない原因はこういうところにもあるような気がする。ディアビを責めているのではなく、他のメンバーもそうだ。前を向いてドリブルで抜こうというプレイを見せるのはフレブぐらいで、それ以外のメンバーはみんな後ろに下げてしまう。
22分、ソラーノが得意の右足(というか右しか使わないが)のアウトで前方にパス、ミルナーが裏に抜ける。そう、以前のニューカッスルはソラーノとロベール(Robert)という、正確なクロスが左右からボンボン入っていたチームだったのだよね。それをシアラー(Shearer)が頭で落として、そこにベラミー(Bellamy)やダイアーが走りこんで…ううっ、懐かしいのお。いまはミルナーがクロスを入れるターゲットはマルティンス。このクロスはDFに弾き返されてしまったが。そのボールをソラーノが拾って今度は中央の絶妙な位置へグラウンダーでパス。ダイアーにはわずかに合わなかった。
23分、中盤のミスパスを拾ったバットが前方に。アーセナルの最終ラインと中盤の間で受けたマルティンスが中に少し走りこんで、追い越していったダフにパス。ダフはペナルティエリアの左からグラウンダーのクロス、かなりいいクロスだったが、ダイアーが速度を緩めてしまっていたので追いつかず。そこはちゃんと走ってないとダメだろー! まあそれは結果論で、ダフがシュートすると思って、弾いたところに反応しようという意図だったのかもしれない。
25分、またもロングボールを高く高くジャンプして頭で落とすマルティンス、それに反応するダイアー。ーシアラーとはタイプが違うが、こういう落としができるってのはすばらしい。
25分、あっ、ギブンが痛んだ! ハーパー(Harper)に交代。今年はちょっと残念な年だね…。右足か。キャプテンマークをソラーノに渡して下がる。すごく無念そう…。
28分、ハーフウェイからディアビがスルーパス、アデバイヨールが追いついて、後方を追い越していくリュングベリにヒールパス。しかしリュングベリはソラーノと絡まって転等。ファールを取ってもらえず文句を言って黄色の紙もらってしまうリュングベリ。
30分、ドリブルで切れ込んでいくフレブ。ペナルティエリアに入ったところで追い越していったエブエにパスを出したが、こういう動きをするのはフレブだけ。
32分、やっぱりニューカッスルって選手の質は高いな。1対1でもアーセナルの選手に負けてないし、守備も反応が早いとか、相手より人数をかけて奪うとか、そういうスマートな守備で対応している。ボルトンみたいなガツガツとボールを取りにいく下品な守備はしないのね。
34分、右サイドで、後ろ向きでバットからのパスを受けたミルナー、右足でトラップ。ボールはぽんと高く上がり、後ろから来ていたクリシの頭を超える。ミルナーは反転して前を向き、ボールの落下点に。英語解説が思わずベルカンプ(Bergkamp)を引き合いに出すほど素晴らしいプレイ。ぽんぽんと弾むボールを蹴ってクロスを入れたが、それがクリシのハンドボールに。
35分、テイラーからのロングボールに追いつくマルティンス、足元できっちりボールを止めてDFを二人躱わす。ミドルを撃ってもよかったと思うがコースがなかったのか、右から上がってきたミルナーにパス、ミルナーがミドル。ふかしてしまう。アーセナルはラインが高いのだから、どんどん裏を狙っていけばいいのだ。
41分、相手陣内右サイドでのスローインからソラーノがまたも右足アウトで鋭いグラウンダーのスルーパス。バットが猛烈にダッシュして追いついて、こぼれたところをダフがシュート、惜しくも枠は外れたが、このとき相手のペナルティエリア内にマグパイズの選手が4人。よしよし、これでこそニューカッスルだ。
43分、FKからゴール前でヘッドの応戦混戦。最後はダフが触って枠を外すが、マグパイズのツキのなさに救われてるなアーセナル。
前半終了。ニューカッスルは右からも左からも攻めているし、相手の裏に出すボールは多いがパス回しも使っているし、とてもいい感じで攻めていて、かなり楽しいゲームになっている。
後半開始。
46分、いきなりミルナーの惜しいシュート。右サイドから右足でシュート回転をかけたボールはレーマンの頭の上を越えて曲がって、ゴールの枠の左上隅のクロスバーを叩く。今日のミルナーくんキレキレじゃん。
ニューカッスルもけっこうキッチリとラインを2つ作って守っている。エムレやバットがかなり走り回ってプレッシャーをかけているので(下品なボルトンみたいに辺りに行ったりはしない)、ボールが奪えている。
52分、エンゾグビア(N'Zogbia)をダイアーに替えて投入。どこに入れたんだろう。
55分、アーセナルはニューカッスルのペナルティエリア内に入れない。ここ数本のシュートはみんなミドルだ。
61分、バティスタ(Baptista)がフレブに代わって入る。リュングベリが右に回ったみたい。
65分、観戦しているオーウェン(Owen)がカメラに抜かれる。
71分、アリアディエール(Aliadiere)が入る。出るのはアデバイヨール。
72分、左サイドのアイリッシュコンビは攻撃にスピードがないね。カーに預けると、しばらくボールを持ってモタモタしているから敵に守る体制を作られてしまう。すぐにダフに戻せないもんだろうか。
75分、ソラーノからのロングボールに、その前のコーナーキックのために上がっていたテイラーが反応。アーセナルのペナルティエリア内でトゥレには競り勝ったがレーマンと交錯、レーマンの頭の上にあるボールを奪おうと粘るテイラー。それに激してテイラーを押し返すトゥレとギャラス、その間に入ってテイラーを引き離すマルティンス。エブエがダフを押しのけたりして雰囲気が悪くなりそうなところを、テンションの上がっている連中ひとりひとりの頭を撫でて「落ち着けよ」とやるマルティンス。なんかかわいい。ギャラスとテイラーに黄色。
81分、またもロングボールをジャンプして受けるマルティンス、そこにトゥレが当たってきてファール。しかしすごいなマルティンス、身長は大して高いわけでもないのだがジャンプ力で補い、落下点の予測の正確さでちゃんと落としてる。
84分、ニューカッスルゴール前のピンボール。シウバのシュートはソラーノが腰(もしかしたら肘)で、セスクの押し込みはハーパーが、シウバのシュートはソラーノが頭で、とソラーノ大活躍。
85分、ミルナーが右ワイドにいるマルティンスに出して中に走りマルティンスはその走る先のスペースに出す。追いついたミルナーだったが、折り返しは防がれる。今日のニューカッスルの攻撃が面白いのは、スペースにボールが出ているからというのもひとつあるだろう。
88分、エムレに代わってルケ(Luque)投入。
90分、FKがペナルティエリアに走りこんだテイラーの前でバウンドして頭の上を越えていってしまった。あー惜しい。これでスコアレスな感じが濃厚になった。
試合終了。まあ楽しめた試合ではあった。試合そのものは拮抗していたと思う。
早くも監督のコメントが出てたので。
◆ローダー(Roeder)監督:
我々は1ポイントで満足しなければならないが、3ポイント取れなかったことには落胆している。
先制点を挙げられたら勝っていただろう。我々はゆっくり入りすぎ、相手を警戒しすぎた。
ハーフタイムには先制できていただろうと思っていたので、もし最後にアーセナルが得点して勝っていたら不公平な結果だとは思っていただろう。
◆ヴェンゲル(Wenger)監督:
我々には想像力が欠けていたが、スピリットは素晴らしかった。
ゲームには勝ちたかったが、負けなかったことが重要だ。
少し疲れがあって思ったほど得点ができていない時期には、自信は小さくなるものだ。
落胆が続いたり自信にダメージを受けたりしている今、我々にとっては0-0の引き分けでも悪い結果ではない。