ほとんど10年ぶりぐらいにドラマを楽しみに観ている。
阿部 寛主演の「結婚できない男」。自身の境遇に近いので親近感がある。自分と主人公の違う点はルックスと懐具合と才能ぐらいで…っていっしょなのはいい歳こいて独身だっつーことぐらいか(笑)
もうひとついっしょなのが「結婚なんていいもんじゃない」と思っているということ。もちろん自分が、そしてドラマの主人公も強がりを言っているだけなのは分かっている。しかし、素直に結婚に対してポジティブな感情を抱いていないのも確かだ。
ちょっと前の記事になるが、『
結婚「忍」、主婦業「楽」 専業主婦にアンケート』というのがあった。結婚に関するアンケートで、実施した(株)ユーキャンのアンケート調査ページを覗いてみたら、独身男の結婚に対するただでさえ少ないポジティブな感情がますますしぼむような結果が羅列されていた。
結婚は「忍」だという。
忍耐しなくてもいい相手を見つけるのは奇跡に等しいのかもしれないと思うが、そもそも結婚がゴールだと思っているとそうなるんじゃないかとも思うのだが。結婚に踏み切る前に、その先何十年、毎日顔をつき合わせて生きていくことを考えておけば、真っ先に「忍」と来ることはないんじゃなかろうか。もちろん、結婚前にお互いの手の内を十分に晒しておく必要はあるのだが。そしてそんなことを考えているので、既婚の友人たちが口を揃える「結婚は勢いだ」が自分には実践できそうもない。
専業主婦業は「楽」だという。
これは、子供の有無で正反対になると思う。
子供がいなかったら、専業主婦なんて楽チンなことこの上ないだろう。独り暮らしで働きながらやっていることだけを日々こなせばいいのだから。それで「主婦業の時給は1,268円」とか吐かしやがったらぶん殴ってやりたい。
しかし、子供がいたら「亡」「耐」「苦」となるのはよく分かる。周囲の大変そうな様子を見るにつけ「ああ自分は子供を持ちたくない」と思ってしまう。弟が「俺もそう思ってたけど、やっぱり自分の子供は可愛いぜ」と言う。それも分からなくもない。分からなくもないが、弟は外に働きに行っており、週末に子供の面倒を見るぐらいだからそれほど大変ではないのではないかとも思う。大変なのは義妹で、乳幼児2人を終日ひとりで面倒見なければならないのだから、それは大変だろう。子供を持つ主婦の時給が1,268円では安いなと思う。子供が大好きで、子供の面倒を見ることが生き甲斐みたいな女性ならいいのだろうが、自分のキャリアも大切にしたいと思っている女性にとっては子育ては「亡」「耐」「苦」なのだろう。
ついでに結婚に関していかがなものかと思うのが、男女問わず既婚者から噴き出す生活感オーラだ。
子供ができたらそれどころではないというのはわかる(ブヨブヨ太るのは子育てが大変とかそういう問題ではないが)。子供がいるのにギャルっぽいのもどうかと思うが、くたびれたジャージやTシャツやトレーナーで買い物に行くのはどうかと思う。異性を気にしなくなると堕していくのは世の常だが、異性はともかく世間の目ぐらいは気にしようよと思うのだが。
実は友人の既婚者たちのほとんどがDINKSだ。みんないい歳なのに。でも、そういう夫婦を見ていると、夫婦関係は付き合っているときとあまり変わらないように見える。その感じはとてもまぶしく見える。
子供がいないのなら、上にも書いたように専業主婦などもってのほか、Double Income が当然だ。それならば当然家事は公平に分担だろう(仕事の繁忙によって比率は変わるだろうが)。それは望むところ。お互い助け合っていこうや。
正直、自分の理想はDINKSだ。
上に書いた友人たちの夫婦関係をいいなと思うのもあるが、実は子供が欲しくない。
子供を可愛いと思わないわけではない。確かにニコニコしている時の子供は可愛いが、それはそのときだけで、当然可愛いだけでは済まない。可愛い以外のときに面倒を見ることに何らかの喜びを見出せそうな気が正直しない。
いまの仕事を続けると仮定するなら、女房子供を養っていくぐらいはなんとかなるだろう。いまの住み慣れた都心を離れれば余裕も出るし、実家にでも引っ込めばさらに余裕が出る。
しかし、とても20年ものあいだ財力と体力と精神力と時間を費やしても持ちたいと思えるほどに魅力を感じないのだ。しかし手が離れるまでその面倒を見る覚悟が、いまの自分には、ない。
これからお近づきになろうとする女性に対して「子供は好きじゃない」とはなかなか言えない。最近は女性のほうも「子供は欲しくない」と考える人はいるんじゃないか。でも男性以上にそれは言い出しづらいだろうし、そう決断する踏ん切りはつかないだろう。そう考えると、やはりそういうことは男から宣言しておいたほうがいいのだろうなということで、そういう話になったときには正直に「子供は好きじゃない」と言うことにしている。
ドラマ「結婚できない男」では、そんなところまでは踏み込まないだろう。性格の違いを楽しもうとか、そんなところで話がまとまりそうな気がする。まあ、大きなストーリーにはそもそも期待していない。主人公の偏屈具合がとても面白いとか、身につまされる話を見ながら悶えるとか、ディテールを楽しんでいるからいいのだ。
しかし今日は久しぶりにオンタイムで観られる。盆休み万歳。