Barcelona close in on Henry deal
Soriano justifica los 24 'kilos' que se pagarán por Henry
スペインのチームであるバルセロナ側からの情報なので眉に唾はつけるが、いつものようにたっぷりとはつけず、心持ち少なめ。いやかなり少なめ。バルセロナの幹部があっさり言い放っているし、なによりも全員の利害が一致するから。
いままでアンリはアーセナルに特別な愛着を示していた。その愛着の理由は、まずはヴェンゲル(Wenger)監督の存在あってのものだろう。次に、やはり自分が王様でいられるチームであるということ。しかし今シーズンはそのどちらも揺らいでいる。
4月の中ごろに、副会長(と訳していいのかな)のデイン(Dein)氏が他の首脳との意見の食い違いを理由として辞めている。このデイン氏がヴェンゲルの最大の理解者であり協力者であったので、ヴェンゲルの「アーセナル愛」も揺らいでいる。当然それはアンリにも影響する。
自分の会社に置き換えると分かり易い。自分がある部長を慕っていて、その部長は社長に信頼されている。ところが社長が交代して、自分が慕っている部長の立場が微妙になった。新社長のことは気に食わない。もし部長が辞めたら…。いやまさに今の自分の状況と似てるんだよなー。もちろん自分の場合はアンリのように重用されているわけじゃないが。
さらに、アンリのヴェンゲルに対する忠誠にも翳りが出ている、のではないかと状況からは推察される。なぜなら、アンリを絶対的な核として構成されていたチームが、アンリが怪我でいない間に、アンリ抜きでもなんとかなるような体制になってしまったから。
もちろんアンリ絶好調時代とは比べるべくもない成績であり完成度だが、ほぼ1シーズンアンリ抜きで曲がりなりにも乗り切った。これで少なくとも「やっぱりまだアンリがいないとこのチームはダメだ。アンリさんお願い復活して!」という雰囲気にはなっていない。つまりアンリの存在感は明らかに低下している。
笑顔の可愛いアンリだが、実はけっこう使いづらい選手でもある。なにしろ出場することを至上の喜びとする選手なので、怪我をしていても出場したがるのだ。交代ももちろん嫌がる。ヴェンゲルもアンリの使い方には苦労していた。チャンピオンズ・リーグの試合に出てもでなかなか調子が上がらない。調子が上がらない選手を特別扱いするとチームの雰囲気が悪くなるのに、明らかに怪我をしているのに出場させるようでは、それって何なのと出られない選手は思うだろう。
サポーターはアンリを愛しているし、アンリもプレミアを愛してはいるだろう。が、そうは言ってもそれはあくまで付帯状況。さっきの会社の話で喩えると、自分の同僚たちともうまく行ってるし自分が担当している顧客の受けもよい。でもそれは自分の進退を左右するほどの理由にはならないだろう。
しかも、プレミアではすごいけど他ではねえ〜などと言われているのだから(イタリアでは芽が出ず、W杯では活躍できていない)、プレミア以外の場でやってみたくなるのも当然だろう。プレミアにいたときは常にアンリの後塵を拝して1度しか得点王になれなかったファン・ニステルローイ(Van Nistelrooy)が、リーガに行ったらいきなり得点王。できると思うのは当然だろう。
アンリになったつもりで考えてみると、こんな感じか。
俺は今年は怪我だったけど来年は絶対大丈夫。なのにたぶん監督は、俺のことを信用していないっぽい。まだまだケツの青い若造ばっかりでチーム作りをしている。間違いなく俺がいなくなったときのことを考えてのことだろう。
監督は30歳を過ぎた選手に冷たい。ベルカンプ(Bergkamp)は特別だった。上手すぎるし、出場できなくてもあんまり文句言わないからな。去年の俺の使われ方と今年のチームの作り方からすると、俺の居場所は小さくなるだろう。
バルセロナか…。世界的な選手がいっぱいいるな。テュラム(Thuram)とジュリ(Giuly)もいるし。エトー(Eto'o)がエースだけど、あいつも去年はイマイチだったし、俺ならあいつからポジションは取れる。サポーターの熱狂具合もアーセナルに負けてないしな…。
時の経過でアンリ絶対王政は必ず崩壊するので、アンリ依存体質からの脱却は必須課題だ。
去年はその課題に着手するいい時期だったともいえる。
でも、アンリの代わりになる主軸のストライカーがいなくなる。
エトーと交換がいいなあ…。